サラジェン顆粒0.5%


作成又は改訂年月

**2020年8月改訂(第3版)

*2015年1月改訂

日本標準商品分類番号

87239

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2013年6月(サラジェン錠)

効能又は効果追加承認年月(最新)
2007年10月(サラジェン錠)

国際誕生年月
1994年3月

薬効分類名

口腔乾燥症状改善薬

承認等

販売名
サラジェン顆粒0.5%

販売名コード

2399013D1020

承認・許可番号

承認番号
22600AMX00956000
商標名
SALAGEN Granules 0.5%

薬価基準収載年月

*2014年12月

販売開始年月

*2014年12月

貯法・使用期限等

貯法
気密容器,遮光,室温保存

使用期限
外装容器に表示

規制区分

劇薬

組成

有効成分(1g中含量)
日局ピロカルピン塩酸塩(5mg)

添加物
ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸,クエン酸,無水ケイ酸,D-マンニトール,香料

性状

色・剤形
白色〜微黄白色・顆粒

*識別コード

一般的名称

ピロカルピン塩酸塩顆粒

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重篤な虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症等)のある患者[冠状動脈硬化に伴う狭窄所見を冠状動脈攣縮により増強し,虚血性心疾患の病態を悪化させるおそれがある。]

2.
気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患の患者[気道抵抗や気管支平滑筋の緊張増大及び気管支粘液分泌亢進のため,症状を悪化させるおそれがある。]

3.
消化管及び膀胱頸部に閉塞のある患者[消化管又は膀胱筋を収縮又は緊張させ,症状を悪化させるおそれがある。]

4.
てんかんのある患者[てんかん発作をおこすおそれがある。]

5.
パーキンソニズム又はパーキンソン病の患者[パーキンソニズム又はパーキンソン病の症状を悪化させるおそれがある。]

6.
虹彩炎の患者[縮瞳が症状を悪化させるおそれがある。]

7.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

1.
頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善

2.
シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善

用法・用量

 通常,成人にはピロカルピン塩酸塩として1回5mgを1日3回,食後に経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意

 本剤の投与は空腹時を避け,食後30分以内とすること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
高度の唾液腺腫脹及び唾液腺の疼痛を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]

2.
間質性肺炎の患者[間質性肺炎を増悪する可能性がある。]

3.
膵炎の患者[膵液の分泌が亢進し,症状を悪化させるおそれがある。]

4.
過敏性腸疾患の患者[腸管運動が亢進し,症状を悪化させるおそれがある。]

5.
消化性潰瘍の患者[消化液の分泌が亢進し,症状を悪化させるおそれがある。]

6.
胆のう障害又は胆石のある患者[胆管を収縮させ,症状を悪化させるおそれがある。]

7.
尿路結石又は腎結石のある患者[尿管及び尿道を収縮させ,症状を悪化させるおそれがある。]

8.
前立腺肥大に伴う排尿障害のある患者[膀胱筋を収縮又は緊張させ,排尿障害を悪化させるおそれがある。]

9.
甲状腺機能亢進症の患者[心血管系に作用し,不整脈又は心房細動を起こすおそれがある。]

10.
全身性進行性硬化症の患者[心血管系,消化器系に作用し,症状を悪化させるおそれがある。]

11.
中等度又は高度の肝機能低下患者[高い血中濃度が持続し,副作用の発現率が高まるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

12.
迷走神経緊張症のある患者[迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。]

13.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

14.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
縮瞳を起こすおそれがあるので,投与中の患者には夜間の自動車の運転及び暗所での危険を伴う機械の操作に注意させること。

2.
本剤投与中,過度に発汗し十分な水分補給が出来ない場合には脱水症状を引き起こす可能性があるので,このような状況が考えられる患者には担当医師に相談させること。

3.
一般にコリン作動薬は,用量依存的に中枢神経系に作用する可能性があることから,認識力の障害または精神障害のある患者に使用する場合には注意すること。

4.
本剤を12週間投与して効果が認められない場合には,その後の経過を十分に観察し,漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

相互作用

相互作用の概略

 本剤の主代謝経路は,血漿中のエステラーゼによる加水分解と,チトクロームP450 2A6(CYP2A6)による酸化である。(「薬物動態」の項参照)

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
コリン作動薬
 アセチルコリン塩化物
 ベタネコール塩化物 等
コリンエステラーゼ阻害薬
 ネオスチグミン
 アンベノニウム塩化物 等
アセチルコリン放出促進作用を有する薬剤
 モサプリド 等

臨床症状・措置方法
本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されることがある。

機序・危険因子
併用によりムスカリン様作用が増強されると考えられている。

薬剤名等
抗コリン作動薬
 アトロピン硫酸塩水和物
 スコポラミン臭化水素酸塩水和物 等

臨床症状・措置方法
本剤又はこれらの薬剤の作用が減弱されることがある。

機序・危険因子
本剤の作用と拮抗的に作用すると考えられている。

薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
 フェノチアジン系抗精神病薬
  クロルプロマジン 等
 三環系抗うつ薬
  アミトリプチリン塩酸塩
  イミプラミン塩酸塩 等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱されることがある。

機序・危険因子
本剤の作用と拮抗的に作用すると考えられている。

薬剤名等
CYP2A6で主に代謝されて活性化する薬剤
 テガフール製剤

臨床症状・措置方法
テガフールの活性本体である5-FUの作用が減弱される可能性がある。

機序・危険因子
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより,テガフールの活性本体である5-FUの生成が減少し,5-FUの血中濃度が低下するおそれがある。

薬剤名等
CYP2A6で主に代謝される薬剤
 レトロゾール 等

臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が増強される可能性がある。

機序・危険因子
本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2A6を競合的に阻害することにより,レトロゾールなどの血中濃度が上昇するおそれがある。

薬剤名等
CYP2A6の阻害剤
 メトキサレン 等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強される可能性がある。

機序・危険因子
メトキサレンなどが薬物代謝酵素CYP2A6を阻害することにより,本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

薬剤名等
潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤
 アントラサイクリン系薬剤 等

臨床症状・措置方法
これらの薬剤を併用する場合は,本剤の循環器系への作用がこれらの薬剤が有する心筋障害を誘発するおそれがあるので,慎重に投与すること。

機序・危険因子
心筋に対する蓄積毒性が誘発されるおそれがある。

副作用

<頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善>
 これまでに実施された臨床試験の総症例665例中,副作用が報告されたのは385例(57.9%)であった。その主なものは,多汗37.0%(246/665),鼻炎8.1%(54/665),下痢6.2%(41/665),頻尿5.4%(36/665),頭痛4.5%(30/665),ほてり4.4%(29/665),嘔気4.4%(29/665)等であった。また,臨床検査値の異常変動は,総症例628例中108例(17.2%)に認められた。その主なものは,トリグリセリド上昇4.2%(23/552),LDH上昇3.2%(20/616),AST(GOT)上昇2.4%(15/619),尿潜血陽性2.5%(13/514),γ-GTP上昇2.3%(14/601),ALT(GPT)上昇2.3%(14/619)等であった。(サラジェン錠承認時)

 製造販売後に実施された使用成績調査の安全性解析対象症例2,155例中,副作用が報告されたのは685例(31.8%)であった。その主なものは,多汗21.8%(469/2,155),嘔気1.8%(38/2,155),下痢1.3%(27/2,155),頻尿1.1%(24/2,155)であった。(サラジェン錠再審査終了時)

<シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善>
 これまでに実施された臨床試験の総症例367例中,副作用が報告されたのは282例(76.8%)であった。その主なものは,多汗40.6%(149/367),頭痛15.5%(57/367),嘔気14.2%(52/367),下痢13.1%(48/367),悪寒9.3%(34/367),ほてり7.1%(26/367),頻尿6.8%(25/367),嘔吐6.5%(24/367),めまい6.3%(23/367),腹痛6.0%(22/367),鼻炎6.0%(22/367),咳5.7%(21/367),高血圧5.2%(19/367),倦怠感5.2%(19/367)等であった。また,臨床検査値の異常変動は,総症例353例中102例(28.9%)に認められた。その主なものは,トリグリセリド上昇6.9%(24/348),γ-GTP上昇5.4%(19/349),AST(GOT)上昇3.5%(12/347),LDH上昇3.5%(12/347),ALT(GPT)上昇3.4%(12/348),尿潜血陽性3.4%(12/348),Al-P上昇2.9%(10/347),赤血球数減少2.6%(9/349),血色素量減少2.6%(9/349)等であった。(サラジェン錠効能追加承認時)

 製造販売後に実施された特定使用成績調査の安全性解析対象症例512例中,副作用が報告されたのは194例(37.9%)であった。その主なものは,多汗20.9%(107/512),嘔気6.6%(34/512),肝機能異常2.1%(11/512),下痢2.0%(10/512),頻尿1.6%(8/512),倦怠感1.6%(8/512)であった。(サラジェン錠再審査終了時)

重大な副作用

1.
間質性肺炎(0.1%未満):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。

2.
失神・意識喪失(0.1%):一過性の意識喪失等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

その他の副作用

精神神経系
1〜5%未満
頭痛,めまい

精神神経系
1%未満
うつ病,意識低下,傾眠,不眠,舌麻痺,振戦,手指のこわばり,しびれ

消化器
1〜5%未満
嘔気,嘔吐,胃不快感,腹痛,下痢

消化器
1%未満
食欲不振,口内炎,口角炎,口唇炎,口唇腫脹,口内乾燥,歯肉炎,歯肉腫脹,歯痛,舌炎,唾液分泌過多,唾液腺炎,唾液腺腫大,唾液腺痛,食道炎,心窩部痛,胃炎,胃重感,胃痛,腹鳴,腹部不快感,腹部膨満,消化不良,下腹部痛,鼓腸放屁,腸炎,メレナ,便秘,排便回数増加,肛門周囲炎

循環器
1〜5%未満
心悸亢進

循環器
1%未満
上室性期外収縮,頻脈,不整脈,ST低下,低血圧,高血圧

呼吸器
1〜5%未満
鼻炎

呼吸器
1%未満
副鼻腔炎,鼻出血,喀痰増加,咽頭異和感,咽頭炎,咽頭痛,嗄声,咳,呼吸困難,肺炎,喀血,かぜ症候群

血液
1%未満
赤血球数減少,血色素量減少,ヘマトクリット減少,白血球数増多,白血球数減少,好酸球増多,好中球増多,好中球減少,単球増多,リンパ球減少,血小板数減少

泌尿器
1〜5%未満
頻尿

泌尿器
1%未満
膀胱炎,尿路感染,残尿感,排尿障害,排尿痛,排尿困難,夜間頻尿,尿失禁,尿量増加

皮膚
5%以上
多汗

皮膚
1%未満
帯状疱疹,単純疱疹,湿疹,蕁麻疹,汗疹,発疹,発赤,皮膚炎,脂漏,そう痒感

筋骨格系
1%未満
頸部硬直,頸部痛,頸肩痛,肩こり,背部痛,腰痛,腰椎部椎間板病変,下肢痛,筋肉痛,関節痛

1%未満
眼瞼腫脹,眼瞼炎,流涙,眼球乾燥,眼痛,視力異常

1%未満
耳痛,中耳炎,難聴,耳鳴

肝臓
1%未満
肝機能異常,AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇,LDH上昇,Al-P上昇,総ビリルビン上昇

腎臓
1%未満
クレアチニン上昇,BUN上昇,尿蛋白陽性,尿糖陽性,尿潜血陽性

生殖器
1%未満
前立腺肥大,月経異常

その他
1〜5%未満
悪寒,ほてり,倦怠感,トリグリセリド上昇

その他
1%未満
脱力感,疲労,顔面浮腫,浮腫,末梢性浮腫,味覚異常,発熱,冷感,四肢冷感,しゃっくり,胸痛,疼痛,アルブミン減少,アミラーゼ上昇,アミラーゼ低下,総蛋白上昇,総蛋白減少,総コレステロール上昇,総コレステロール低下,尿酸上昇,ナトリウム上昇,ナトリウム低下,カリウム上昇,カリウム低下,クロライド上昇,尿ウロビリノゲン陽性

各副作用の頻度はサラジェン錠承認時までの臨床試験,並びにサラジェン錠製造販売後の使用成績調査及び特定使用成績調査の合算に基づく。

高齢者への投与

 一般に高齢者では生理機能が低下しているので,注意すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)において死産頻度の増加,新生児の生存率低下,平均体重の減少及び骨化遅延の発生頻度の増加が認められている。また,動物実験(ラット)で,受胎率の低下が認められている。]

2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で,乳汁中への移行が認められている。]

小児等への投与

 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

 本剤が過量投与された場合は,呼吸及び体循環を維持するためにアトロピン投与(皮下或いは静注)等の適切な処置を行うべきである。また,重篤な心機能低下或いは気管支収縮がみられた場合には,アドレナリン投与(皮下或いは筋肉内)を考慮すること。

 なお,本剤は透析によって除去出来るかどうかは不明である。

その他の注意

1.
ラットに104週間経口投与したがん原性試験において,18mg/kg/日群(AUCで換算して臨床曝露量の約50倍以上)の雌雄で副腎髄質に良性の褐色細胞腫の発現が有意に増加した。また,同群の雌では,試験実施施設における自然発生発現率の背景値の範囲内ではあるが,肝細胞腺腫の発現が有意に増加した。

2.
ラットの生殖発生毒性試験において,18mg/kg/日以上(体重換算で臨床用量の約60倍以上)で受胎率の低下,精子運動率の低下及び異常精子率の増加からなる生殖機能への影響が認められた。また,イヌの26週間反復経口投与試験において,3mg/kg/日群(体重換算で臨床用量の約10倍)で精子形成に対する影響が認められた。

薬物動態

1.
血漿中濃度

(1)
健康成人男性にサラジェン顆粒0.5%又はピロカルピン塩酸塩錠5mgを,クロスオーバー法によりそれぞれ1g又は1錠(ピロカルピン塩酸塩として5mg)を空腹時に経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり,両剤の生物学的同等性が確認された1)

 


 

血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

 

(2)
健康成人男性にピロカルピン塩酸塩錠5mgを食直後に単回経口投与すると,血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは空腹時とほぼ同様であり,食事摂取による大きな影響は認められなかった2)

(3)
成人肝機能正常者6例及び肝機能低下者12例(Child-Pugh分類A:9例,B:3例)にピロカルピン塩酸塩錠5mgを単回経口投与したとき,正常者に比べ肝機能低下者のCmax,AUC0-infは増加し,経口クリアランス(CLtot/F)は低下した(外国人のデータ)3)

(4)
血液透析を受けていない成人腎機能低下者8例にピロカルピン塩酸塩錠5mgを単回経口投与したとき,クレアチニンクリアランスと各薬物動態パラメータとの間に有意な相関は認められなかった(外国人のデータ)4)


2.
代謝,排泄
 健康成人男性にピロカルピン塩酸塩錠5mgを空腹時に単回経口投与したとき,48時間までにピロカルピン,ピロカルピン酸及び3α-ヒドロキシ体としてそれぞれ投与量の約22%, 27%及び20%,計約68%が尿中に排泄され,この大部分が投与後8時間までに排泄された2)

 ピロカルピンのピロカルピン酸への加水分解には主に血漿中のエステラーゼが,また,3α-ヒドロキシ体への酸化にはCYP2A6が寄与することがin vitro試験により推定されている5, 6)

 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において,ピロカルピンはCYP2A6に対して競合阻害を示し,Ki値は4.08μMであった7, 8)

薬物動態の表

 
ピロカルピン塩酸塩の薬物動態パラメータ
(n=29,平均値±標準偏差)

  AUC0-24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) 
サラジェン顆粒0.5% 70.73±33.55 28.27±8.34 0.741±0.287 1.566±0.310 
ピロカルピン塩酸塩錠5mg 68.05±33.30 27.01±8.68 0.957±0.335 1.536±0.310 

 健康成人男性における空腹時及び食直後投与時の薬物動態パラメータ
(n=8,平均値)

投与時期 Cmax(ng/mL) Tmax (hr) t1/2(hr) AUC0-inf(ng・hr/mL) 
空腹時 25.43 1.04 1.68 88.14 
食直後 22.88 1.34 1.44 80.39 

 

 
成人肝機能正常者及び肝機能低下者における空腹時投与の薬物動態パラメータ
(n=6又は12,平均値)

  Cmax(ng/mL) Tmax (hr) t1/2(hr) AUC0-inf(ng・hr/mL) 
肝機能正常者 25.0 1.00 1.27 57.50 
肝機能低下者 33.1 0.89 2.09 108.42 

 

臨床成績

<頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善>

(1)
第III相二重盲検比較試験
 頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症患者を対象に,ピロカルピン塩酸塩錠1回5mgを1日3回毎食直後に12週間経口投与したプラセボ対照二重盲検比較試験において,ピロカルピン塩酸塩錠はプラセボと比較して口腔乾燥感の自覚症状(口腔乾燥感の重症度VASスコア)を有意に改善した。また,口腔乾燥症による日常生活の障害(会話障害,摂食障害,睡眠障害)を有意に改善した9)

(2)
長期投与試験
 頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症患者を対象に,ピロカルピン塩酸塩錠1回5mgを1日3回毎食直後に52週間経口投与した非盲検試験において,臨床上問題となる副作用が新たに発現することはなく,また,唾液分泌の増加が認められ,口腔乾燥感改善の減弱は認められなかった10)


<シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善>

(1)
第III相二重盲検比較試験
 シェーグレン症候群患者を対象に,ピロカルピン塩酸塩錠1回5mgを1日3回毎食後に12週間経口投与したプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である最終評価時における口腔乾燥感重症度VASスコアでは,ピロカルピン塩酸塩錠はプラセボと比較して平均値は上回っていたが,有意差は認められなかった。しかしながら,投与12週後の口腔乾燥感重症度VASスコアの評価と投与12週後の投与直後(投与1〜2時間後)の口腔乾燥感の評価が乖離した7例を除いて集計した結果,ピロカルピン塩酸塩錠はプラセボと比較していずれの評価時期においても有意な改善が認められた(対応のないt検定:投与12週後P=0.042,最終評価時P=0.031)。また,ピロカルピン塩酸塩錠はプラセボと比較していずれの評価時期においても口腔乾燥症全般改善度VASスコアを有意に改善した。さらに,ピロカルピン塩酸塩錠は投与後の唾液分泌量を有意に増加させ,投与直後(投与1〜2時間後)の口腔乾燥感を有意に改善した11)

(2)
長期投与試験
 シェーグレン症候群患者を対象に,ピロカルピン塩酸塩錠1回5mgを1日3回毎食後に52週間経口投与した非盲検試験において,臨床上問題となる副作用が新たに発現することはなく,また,唾液分泌の増加が認められ,口腔乾燥感改善の減弱は認められなかった12)

臨床成績の表

 
口腔乾燥感の重症度VASスコア(投与開始時からの差)

時期 群 例数 平均値 標準偏差 中央値 対応のないt検定 
最終観察時a) 15mg/日 82 24.6 23.4 25 p=0.002 
最終観察時a) プラセボ 84 14.5 18.8 10 p=0.002 

単位:mm
a) 12週投与終了例及び中止例の最終評価の合計
 

 
口腔乾燥感の重症度VASスコア(投与開始時からの差)

時期 例数 平均値 標準偏差 中央値 1標本t検定 
投与12週後 54 15.9 20.4 13 p=0.000 
投与28週後 49 22.0 22.3 18 p=0.000 
投与40週後 44 23.4 25.8 18 p=0.000 
投与52週後 43 27.8 26.5 28 p=0.000 
最終観察時a) 65 25.2 26.0 23 p=0.000 

単位:mm
a) 52週投与終了例及び中止例の最終評価の合計
 

 
口腔乾燥感重症度VASスコア(投与開始時からの差)

群 時期 例数 平均値 標準偏差 中央値 対応のない
t検定 
15mg/日 投与2週後 97 17.8 22.0 11.0 P<0.001 
15mg/日 投与4週後 94 23.4 24.8 19.0 P=0.010 
15mg/日 投与8週後 93 25.3 26.3 21.0 P=0.003 
15mg/日 投与12週後 88 24.2 30.1 20.0 P=0.158 
15mg/日 最終評価時a) 102 22.7 28.8 19.0 P=0.113 
プラセボ 投与2週後 109 8.4 13.8 6.0 − 
プラセボ 投与4週後 105 15.4 18.9 13.0 − 
プラセボ 投与8週後 102 15.1 22.9 14.0 − 
プラセボ 投与12週後 96 18.6 23.0 12.5 − 
プラセボ 最終評価時a) 109 17.0 22.5 12.0 − 

単位:mm
a) 12週後投与終了例及び中止例の最終評価の合計
 

 
口腔乾燥感重症度VASスコア(投与開始時からの差)

評価時期 例数 平均値 標準偏差 中央値 1標本t検定b) 
投与12週後 98 18.0 22.8 15.5 P<0.001 
投与28週後 92 24.2 26.3 20.0 P<0.001 
投与40週後 82 25.9 26.9 23.0 P<0.001 
投与52週後 76 24.2 29.3 18.5 P<0.001 
最終評価時a) 111 25.0 27.7 19.0 P<0.001 

単位:mm
a) 52週後投与終了例及び中止例の最終評価の合計
b) 投与開始時との比較

薬効薬理

 本剤は,正常動物(マウス,ラット,イヌ),X線照射による唾液分泌不全モデルラット及びシェーグレン症候群モデルマウスにおいて,十二指腸内投与により用量依存的な唾液分泌促進作用を示した13-15)。本剤による唾液分泌促進作用は選択的ムスカリンM3受容体遮断薬により著明に抑制された14,16)。本剤はヒト及びラットムスカリン受容体サブタイプ(M1 M2及びM3)に対しほぼ同等の親和性を示し14,15),本剤の刺激によりラット耳下腺細胞の細胞内カルシウム濃度は上昇した17)

有効成分に関する理化学的知見

一般名:ピロカルピン塩酸塩(Pilocarpine Hydrochloride)
分子式:C11H16N2O2・HCl
分子量:244.72
構造式:
化学名:(3S,4R)-3-Ethyl-4-(1-methyl-1H-imidazol-5-ylmethyl)-4,5-dihydrofuran-2(3H)-one monohydrochloride
性状:本品は無色の結晶又は白色の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い。
本品は酢酸(100)に極めて溶けやすく,水,メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく,無水酢酸にやや溶けやすく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
本品は吸湿性である。
本品は光によって変化する。

包装

サラジェン顆粒0.5%: 84g〔1 g×84包〕

主要文献及び文献請求先

**主要文献

1)
河合明日香ほか:薬理と治療, 43(1), 33-38, 2015.

2)
蓮沼智子ほか:薬理と治療, 35(suppl.2), S-123, 2007.

3)
肝機能低下者を対象とした海外臨床薬理試験(社内資料)

4)
腎機能低下者を対象とした海外臨床薬理試験(社内資料)

5)
血漿中代謝酵素の検討(社内資料)

6)
モノ水酸化代謝物(SS097)生成に関与する代謝酵素の同定(社内資料)

7)
CYP典型基質代謝に与える影響(社内資料)

8)
クマリン7-水酸化活性に与える影響(社内資料)

9)
Konno,A.et al.:薬理と治療, 35(suppl.2), S-131, 2007.

10)
放射線治療後の慢性期の口腔乾燥症患者を対象とした長期投与試験(社内資料)

11)
口腔乾燥症を有するシェーグレン症候群患者を対象とした第III相検証試験(社内資料)

12)
菅井 進ほか:薬理と治療, 35(suppl.2), S-155, 2007.

13)
浅利哲也ほか:薬理と治療, 35(suppl.2), S-111, 2007.

14)
丸山和容ほか:日本薬理学雑誌, 127(5), 399, 2006.

15)
Omori,Y.et al.: Arzneim.Forsch./Drug Res., 53(5), 342, 2003.

16)
Iwabuchi,Y.et al.: Asia Pac.J.Pharmacol., 7(4), 271, 1992.

17)
Glenert,U.: Eur.J.Pharmacol., 226(1), 43, 1992.

**文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

 

キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター

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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

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