吸収(健康成人、慢性腎臓病患者、透析患者:外国人データ)1)
投与21日後における血中への標識体鉄の取り込み(中央値)は、健康成人では0.43%、保存期慢性腎臓病患者では0.06%、血液透析患者では0.02%でした。
- 対象
- 健康成人、保存期慢性腎臓病(CKD:ステージ3〜4)患者、血液透析患者24例(各8例)
- 方法
- 健康成人に59Fe標識したスクロオキシ水酸化鉄を第1日目に、非標識のスクロオキシ水酸化鉄を第2〜7日目に、また保存期慢性腎臓病患者および血液透析患者には非標識のスクロオキシ水酸化鉄を第1〜6日目に、59Fe標識したスクロオキシ水酸化鉄を第7日目に、それぞれ2,000mg/日を1日3回に分けて食事中に経口投与し、血中59Feの吸収率を測定した。
分布(ラット)1)
SD系雄ラットに50mg/kgの59Fe-スクロオキシ水酸化鉄を単回経口投与したとき、投与後6時間では81.2%が消化管(胃、小腸、大腸)の内容物中に存在し、消化管組織中の放射能は0.44〜1.01%であった。また、血液、血漿、血球、肝臓、脾臓および骨髄中の放射能は投与量の0.02〜0.21%であった。投与後24時間における消化管内容物および消化管組織中放射能は小腸においてそれぞれ投与量の0.06および0.03%、大腸においてそれぞれ投与量の1.58および0.08%であり、血液、血球、肝臓、脾臓および骨髄中で検出された放射能は投与量の0.02〜0.41%であった。
排泄(ラット)2)
SD系雌雄ラットに50mg/kgの59Fe-スクロオキシ水酸化鉄を単回経口投与し、投与後168時間までの尿および糞中放射能を測定したとき、糞中に排泄された放射能は投与後48時間までに雄ラットでは投与量の101.0%、雌ラットでは82.8%、168時間までに雄ラットでは102.7%、雌ラットでは85.5%でした。一方、放射能の尿中排泄は168時間まで認められず、主たる排泄経路は糞中でした。