13. その他頻度不明
投与部位の紅斑、腫脹又は灼熱感
上記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者では生理機能が低下しているので症状を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させることが望ましい。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。
過量投与
症状
水分貯留並びに低ナトリウム血症のリスクが高まり、頭痛、冷感、嘔気、痙攣、意識喪失等があらわれることがある。
処置
投与を中止し、水分を制限する。症状がある場合は等張もしくは高張食塩水の注入、フロセミドの投与等適切な処置を行う。
適用上の注意
反復投与本剤は反復投与しないことを原則とするが、やむを得ず24時間以内に反復投与する場合は反応性が減弱することがあるので、患者の反応性を十分観察すること。
薬物動態
1.
血中濃度(参考:オーストラリアでの試験成績)
1)中枢性尿崩症患者5名にデスモプレシン酢酸塩水和物(DDAVP)20μg静注後(bolus)の血漿中濃度の推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。本剤の静脈内投与による血中動態は二相性を示した。(薬物動態の表1参照)

●作用発現時間と作用持続時間1)投与後1時間以内で発現し、4〜6時間持続する。(血液凝固因子活性の上昇度を指標とする。)
2.
分布
●体組織への分布(参考:ラットでのデータ)
2)ラットに3H-DDAVPを静脈内投与したところ、体組織への分布は腎臓>小腸>肝臓>下垂体後葉>下垂体前葉の順であった。
●蛋白結合率(限外ろ過法)
3)薬物動態の表2参照。
表1 薬物動態パラメータ
T1/2β(min) | Vd(L) | CL(mL/min) | AUC0〜∞(pg・hr/mL) |
124±31.6 | 29.5±8.0 | 75.2±23.7 | 1335※ |
※AUCはパラメータより算出した。
mean±S.D.
表2 蛋白結合率(限外ろ過法)
添加濃度(pg/mL) | 2 | 50 | 100 |
血清蛋白結合率(%) | 76.3±3.3 | 74.2±2.8 | 74.0±3.4 |
mean±S.D.
臨床成績
臨床成績
4)国内における血友病A(中等症、軽症)、von Willebrand病(TypeI、TypeIIA)を対象とした一般臨床試験(多施設臨床試験)成績の概要は次の表のとおりである。
●重症度あるいは病型別止血効果
疾病 | 重症度あるいは病型 | 有効以上/評価例数 | 有効率(%) |
血友病A | 中等症 | 7/9 | 77.8 |
血友病A | 軽症 | 17/20 | 85.0 |
von Willebrand病 | Type I | 7/7 | 100.0 |
von Willebrand病 | Type IIA | 6/7 | 85.7 |
(効果判定対象:出血症例)
●血友病A中等症例の投与前第VIII因子活性別にみた第VIII因子活性上昇率
投与前第VIII因子凝固活性 | 症例数(1) | 投与1時間後の活性値/投与前活性値 2倍以上の症例数(2) | 投与1時間後の活性値/投与前活性値 2倍未満の症例数 | (2)/(1) % |
1〜2% | 6 | 2 | 4 | 33.3 |
2〜5% | 20 | 17 | 3 | 85.0 |
●投与量別止血効果と因子活性上昇率
疾病 | 投与量(μg/kg) | 有効以上/評価例数 | 有効率 | 因子活性上昇率※ |
血友病A | 0.2 | 7/8 | 87.5% | 3.7倍 |
血友病A | 0.4 | 17/21 | 81.0% | 4.8倍 |
von Willebrand病 | 0.2 | 2/3 | 66.7% | 1.7倍 |
von Willebrand病 | 0.4 | 11/11 | 100.0% | 8.0倍 |
※投与前値に対する本剤投与1時間後の上昇率
(効果判定対象:出血症例)
薬効薬理
薬効薬理
5)〜9)本剤は「生体内」又は「血管内皮細胞」等にプールされている血液凝固第VIII因子及び von Willebrand 因子を放出させる作用を有し、自己由来の凝固因子により止血を可能とする薬剤である。健常人による用量反応試験(0.1、0.2、0.4μg/kg)では、第VIII因子凝固活性及びvon Willebrand 因子活性は用量依存性に増加し、投与30分〜1時間後に最大ピークに達した。
また、血友病A患者における第VIII因子凝固活性の増加及びvon Willebrand 病患者における von Willebrand 因子活性の増加は、健常人と同様本剤投与後30分〜1時間後に最大ピークに達した。なお、血友病A及びvon Willebrand 病患者に本剤を24時間ごと3回反復投与し反応性を検討した結果投与ごとに反応性が低下する例、第2回目以後反応性がなくなった例が確認されている。
※※有効成分に関する理化学的知見
一般名
デスモプレシン酢酸塩水和物 Desmopressin Acetate Hydrate
化学名
1-Deamino-8-D-arginine-vasopressin acetate trihydrate
略名
DDAVP
分子式
C46H64N14O12S2・C2H4O2・3H2O=1183.31
構造式
性状
白色の粉末である。
溶解性
水、エタノール(99.5)、酢酸(100)にやや溶けやすく、酢酸エチル、アセトンにほとんど溶けない。
包装
10管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Pullan P. T., et al.:Clinical Endocrinology, 9, 273, (1978)
2)
Janaky T., et al.:Horm. metab. Res., 14, 385, (1982)
3)
社内資料:倉光智子, 他;125I-KW8008のin vitro蛋白結合
4)
吉田邦男,他:臨床と研究,63, (4), 329, (1986)
5)
Mannucci P. M., et al.:Br. J. Haematol., 30, 81, (1975)
6)
高瀬俊夫,他:奈良医学雑誌,35, (5), 540, (1984)
7)
Hoyu T., et al.:Tohoku. J. exp. Med., 132, 133, (1980)
8)
Mannucci P. M., et al.:Br. J. Haematol., 47, 283, (1981)
9)
安部 英,他:臨床と研究,63, (4), 312, (1986)
※※,※文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
フェリング・ファーマ株式会社 くすり相談室
〒105-0001 東京都港区虎ノ門二丁目3番17号 虎ノ門2丁目タワー
フリーダイヤル:0120-093-168
FAX:03-3596-1107
キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター
〒112-0002 東京都文京区小石川3丁目1番3号
フリーダイヤル:0120-007-622
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
※※,※製造販売元
フェリング・ファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門二丁目3番17号
※※販売元
キッセイ薬品工業株式会社
松本市芳野19番48号